鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載など)の罪に問われた懇話会の会計事務担当だった元公設第1秘書、勝場啓二被告(59)の初公判が29日、東京地裁(平木正洋裁判長)で開かれた。勝場被告は「間違いございません」と起訴内容を認めた。
検察・弁護側はともに証人申請をせず、冒頭陳述後に被告人質問が行われ、検察側の論告求刑、弁護側の最終弁論を経て結審する。夏に参院選を控えた中で政局への影響を抑えたいという検察・弁護側双方の思惑が一致したとみられる。現職首相の元秘書が立件された異例の公判は4月にも判決が言い渡される。
一連の事件で東京地検特捜部は、勝場被告が偽装献金の原資を鳩山首相本人や実母の資金だったと認めたことなどから、在宅起訴にとどめた。また、政治資金収支報告書のチェックを怠り虚偽記載を見抜けなかったとして、会計責任者だった元政策秘書を同法違反(重大な過失)罪で略式起訴。東京簡裁が罰金30万円と公民権停止3年の略式命令を出している。
鳩山首相については虚偽記載に関与していないほか、会計責任者の選任・監督責任について「少なくとも選任について過失はない」と判断し、嫌疑不十分で不起訴処分とした。
起訴状によると、勝場被告は平成16〜20年、故人や実際には献金していない人からの個人献金計2億700万円を懇話会の収支報告書に記載したほか、政治資金パーティー収入も約1億5300万円水増しして記載。また、鳩山首相の関連政治団体「北海道友愛政経懇話会」(北海道室蘭市)の収支報告書に17〜20年に実母と実姉から受けた献金計1200万円を記載せず、パーティー収入約3千万円を水増しして記載したとされる。
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